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プラモデルを作る硬派なブログだよ!

2022_01_KASHIMA-ARI

Hi, 2022 mokei no Edinburgh-san.

I'm gonna recommend this stuff which you can 生きる、この寒い冬を。

  

最後のは厄除けです

 

この記事をご覧になった方、あけましておめでとうございます。

なんか色々やりたかったんですが時間が過ぎましたのでここでこっそり更新することにしました。

本年の模型関係の目標としましては夏にネロブースを買う、単焦点レンズを安い時に買う、なんとか続けるの三本立てでいこうとおもいます。4月から夏までは多分殆ど作れないです。ネロブース買ったら沢山作れると思うんだな、あと今から春までには今頭にあるもの全部作りたいんだな。時間あるかは不明です。ポッポ

 

突然ですが2022最初に読んだ本の書評です。

 

貸間あり/井伏鱒二(1948)

以前から読みたかったもののなかなか見つけられず、どこに収録されているかもわからなかったのですがある日思い出して検索したらあっさり単行本を発見、その中でも買える値段のものがあったので購入。しかも1948年8月発行の初版本、アパートの見取り図付きでした(⌒▽⌒)

ストーリーとしてはあるアパートに住まう人々の群像劇なのですが、あらすじだけ聞いてもはっきり言って惹かれるところは特にないでしょう。特筆すべきは叙情味なしに描かれるその生活、現実です。戦後、青柳荘に集う人々はそれぞれ様々な背景を持っていますし、老若男女揃っているわけですからドラマもあるものでしょうが(実際に核となっているのは新たにやってきたOLのゆみ子と書き物関係何でも屋の五郎、微妙な関係の二人)情感たっぷりとはいきません。結婚資金を貯めるため上京し、3人の旦那を持つ千代もうまいことやりくりして旦那同士の揉め事も起こさない。そして帰省後(恐らくアパートの住人・野々宮のせいで)かわいそうな事になりますが、野々宮についてもいつの間にかいなくなったハラ作についても必要以上の描写はありません。薄汚いアパートの、やや薄汚そうな人々の生活を淡々と描いています。そしてその文章、そのスタイルは潔く、決して薄汚くありません。小劇場演劇の一幕劇のようですが、実際最後の最後で取ってつけたような情景描写があり終わります。脚本のト書が突然入ってきたようでめちゃくちゃ胡散臭い。思えば由美子が千代に頼まれてお屋敷のお嬢さんのふりをしたり、五郎が江頭に頼まれて代理受験したり(そしてこの話は五郎が作中で短い作品にしているが、それも叙情味がなく散文的で作品としてはどういう受け取り方をすれば良いのかわからない)と、ややもすれば嘘、粉飾が描かれているがそれもまた淡々と流れる。これは井伏が捉える現実を美しくして簡潔な文章の型に落とし込んだもののように思います。それはすごく模型的でないのかと思い至ってここに書きました。生活の、現実の模型のような作品です。

こういった直ぐには魅力の伝わりにくい作品は演劇だったり絵画だったり音楽だったりでもあり得ます、演劇だったら脚本だけでは抑揚がわからないのですが演出が劇中の時間の流れを調整したり、役者が流れるように演技をしたり腹の底から出す声を使って止めるような演技をして見せたり 音楽だったら歌詞が「サンドペーパーざらざら」になったり絵画だったら..さてなんでしょうね。何れにせよ時に埋もれがちな良いものをきちんと味わえるようにして生きていきたいですね2022.

 

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バーイ!